※この記事は2026年10月時点の情報です
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皆様、こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。
「大田区では、どのくらいの方が生活保護を受けているのだろう」「増えているの?減っているの?」。ニュースなどで生活保護の話題を目にして、そんな疑問を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
生活保護は、病気や障害、高齢、失業などで暮らしが立ち行かなくなったときに、誰もが頼ることのできる「最後のセーフティネット」です。私は現在、区議会の健康福祉委員会に所属しており、福祉の現状を正しく知ることの大切さを日々感じています。
そこで今回は、東京都や厚生労働省が公表している公式統計をもとに、大田区の生活保護の現状を「数字」で整理しました。受給世帯数・人数・保護率がどう推移してきたのか、どんな世帯が受けているのかを、できるだけわかりやすくお伝えします。
1. 大田区の生活保護の現状(結論)
まず、よく検索されている疑問に短くお答えします。(数字は日々変わりますので概算です。)
- 受給世帯数・人数:令和6年度(2024年度)の月平均で、大田区は13,030世帯・15,174人です。
- 保護率:20.2‰(パーミル)。人口1,000人あたり約20人、つまりおよそ50人に1人の割合です。
- 23区・東京都・全国との比較:23区平均(20.0‰)とほぼ同じ水準で、東京都全体(19.3‰)や全国(令和8年7月分概数で1.60%=16.0‰)より少し高めです。
- 推移:平成12年度から平成20年代半ばにかけて約2倍に増えましたが、平成27年度ごろをピークに、ここ数年はゆるやかな減少傾向です。
- 世帯の内訳:大田区単独の内訳は公表資料で確認できませんでしたが、東京都全体では約86%が単身世帯、半数以上が高齢者世帯です。
以下、それぞれを詳しく見ていきます。
なお、「実際に困っていて、申請の方法を知りたい」という方は、申請の流れや大切なことをまとめた「困窮された時、最後のセーフティネット『生活保護』〜大田区での申請方法と大切なこと〜」の記事をご覧ください。
2. 大田区で生活保護を受けている世帯数・人数(最新)
東京都福祉局がまとめている「年報(福祉・衛生行政統計)」の令和6年度版によると、大田区、23区、東京都全体の数字は次のとおりです。
| 区分 | 被保護世帯数 | 被保護人員 | 保護率 | 大田区 | 13,030世帯 | 15,174人 | 20.2‰ | 23区(区部計) | 168,551世帯 | 197,709人 | 20.0‰ | 東京都計 | 230,167世帯 | 273,244人 | 19.3‰ |
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※令和6年度の月平均。保護を一時的に停止している世帯・人員を含みます。出典:東京都福祉局「年報(福祉・衛生行政統計)令和6年度」第7章 生活保護。
「保護率」とは?
保護率とは、その地域の人口に対して、生活保護を受けている人がどのくらいの割合いるかを示す数字です。東京都の統計では「‰(パーミル)=1,000人あたり何人か」で表します。大田区の20.2‰は、パーセントに直すと約2.0%です。
大田区の人口は、住民基本台帳で74万5,621人(令和7年10月1日現在)。23区の中でも人口の多い区ですので、受給している人数も多くなりますが、割合で見ると23区のほぼ平均的な水準だとわかります。
さらに新しい速報値では
東京都福祉局の月報(2026年6月号)に掲載された速報値では、大田区は12,742世帯・14,709人、保護率19.3‰(前年同月は19.8‰)となっています。令和6年度の平均よりさらに少し減っています。なお、月報の数字は速報値のため、後で確定値が公表されると変わる場合があります。
3. 大田区の生活保護の推移(平成12年度〜令和6年度)

次に、長い目で見た「生活保護の推移」です。東京都の年報から、大田区の数字を抜き出して並べました。
| 年度 | 被保護世帯数 | 被保護人員 | 保護率 | 平成12年度(2000年度) | 6,478世帯 | 8,608人 | 13.2‰ | 平成17年度(2005年度) | 8,622世帯 | 11,173人 | 16.8‰ | 平成22年度(2010年度) | 11,607世帯 | 14,801人 | 21.3‰ | 平成27年度(2015年度) | 13,456世帯 | 16,719人 | 23.3‰ | 令和元年度(2019年度) | 13,428世帯 | 16,252人 | 22.0‰ | 令和2年度(2020年度) | 13,284世帯 | 15,895人 | 21.2‰ | 令和3年度(2021年度) | 13,222世帯 | 15,676人 | 21.1‰ | 令和4年度(2022年度) | 13,104世帯 | 15,461人 | 20.9‰ | 令和5年度(2023年度) | 13,078世帯 | 15,319人 | 20.5‰ | 令和6年度(2024年度) | 13,030世帯 | 15,174人 | 20.2‰ |
|---|
※各年度の月平均。出典:東京都福祉局「年報(福祉・衛生行政統計)」各年度版。保護率の計算に使う人口は年度によって国勢調査人口または推計人口が使われており、版によって小数点以下が少し異なる場合があります。
推移から見えること
- 2000年代に大きく増加:平成12年度から平成22年度までの10年間で、世帯数は約1.8倍になりました。特に平成20年度から22年度にかけての伸びが大きく、東京都全体でも同じ時期に急増しています。
- 平成27年度ごろがピーク:その後は増え方がゆるやかになり、平成27年度に世帯数13,456世帯、人員16,719人と、表の中で最も多くなっています。
- ここ数年はゆるやかに減少:令和元年度から令和6年度にかけて、人員は16,252人から15,174人へ、約1,000人減りました。保護率も22.0‰から20.2‰に下がっています。
- 人員の減り方のほうが大きい:世帯数はあまり減っていない一方、人員は減っています。1世帯あたりの人数は、平成12年度の約1.33人から、令和6年度は約1.16人に。これは、一人暮らしの世帯の割合が高まっていることを示しています。
東京都全体・全国の動きとの比較
東京都全体でも、被保護人員は平成27年度の295,176人から令和6年度の273,244人へと減っています。全国でも、厚生労働省の「被保護者調査」によると、令和8年(2026年)7月分の概数で被保護実人員は1,969,655人と、前年同月より約2万人(1.0%)減少しました。大田区の動きは、東京都や全国の流れとおおむね同じ方向だといえます。
4. どんな世帯が生活保護を受けている?(世帯類型の内訳)
生活保護の統計では、受給世帯を次のような「世帯類型」に分けて集計しています。
- 高齢者世帯:65歳以上の方のみ、またはこれに18歳未満の子が加わった世帯
- 母子世帯:母親と18歳未満の子どもの世帯
- 障害者・傷病者世帯:世帯主が障害や病気のために働けない世帯
- その他の世帯:上のいずれにも当てはまらない世帯
大田区単独の世帯類型別の数字は、今回確認できた公表資料には掲載されていませんでした。そこで、大田区を含む東京都全体と、全国の内訳をご紹介します。大田区の保護率は東京都・23区とほぼ同水準のため、傾向をつかむ参考になると思います。
東京都全体の内訳(令和6年度平均)
| 世帯類型 | 世帯数 | 割合(概算) | 高齢者世帯 | 122,038世帯 | 約53% | 傷病・障害者世帯 | 59,383世帯 | 約26% | 母子世帯 | 7,089世帯 | 約3% | その他の世帯 | 40,601世帯 | 約18% | 合計 | 229,111世帯 | 100% |
|---|
※出典:東京都福祉局「年報(福祉・衛生行政統計)令和6年度」7-6表(現に保護を受けた世帯)。単身世帯と2人以上の世帯の数を合算し、割合は筆者が計算しました。
このうち単身世帯は197,336世帯で、全体の約86%を占めます。高齢者世帯に限ると、12万2千世帯のうち約93%(113,535世帯)が一人暮らしの高齢者です。
全国の内訳(令和8年7月分概数)
| 世帯類型 | 世帯数 | 構成割合 | 高齢者世帯 | 903,116世帯 | 55.2% | (うち単身世帯) | 844,423世帯 | 51.6% | 障害者・傷病者世帯 | 418,114世帯 | 25.6% | 母子世帯 | 54,892世帯 | 3.4% | その他の世帯 | 259,162世帯 | 15.8% |
|---|
※保護停止中を含まない世帯数。出典:厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」(令和8年10月7日公表)。
内訳から見えること
東京都でも全国でも、生活保護を受けている世帯の半分以上は高齢者世帯で、その大半が一人暮らしです。年金だけでは生活費や医療・介護の費用をまかなえない高齢の方が、生活保護によって暮らしを支えられている姿が見えてきます。
次に多いのが、病気や障害のために働くことが難しい世帯です。一方、母子世帯は全国で前年同月より6.5%減っており、割合としては少数です。「生活保護=働ける人が受けている」というイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、数字を見ると、働くことが難しい事情を抱えた世帯が大部分を占めていることがわかります。
5. 「生活保護 人口」「日本人 生活保護 割合」についての公式データ
「人口のうち何人が生活保護を受けているのか」「日本人と外国人の割合はどうなっているのか」と調べる方も多いようです。ここでは公式統計で確認できる事実のみをご紹介します。
人口に占める割合(保護率)
- 全国:1.60%(令和8年7月分概数)。おおよそ63人に1人です。
- 東京都:19.3‰(約1.9%、令和6年度平均)
- 大田区:20.2‰(約2.0%、令和6年度平均)
日本国籍を持たない方の受給について
厚生労働省の資料「生活保護における外国人の取扱いについて」によると、令和6年度の全国の被保護人員は月平均2,008,061人で、そのうち世帯主が外国籍の世帯の人員は64,993人(3.24%)でした。言いかえると、受給者の約97%は日本国籍の世帯の方です。外国籍の世帯主の世帯の人員は、平成27年度の72,995人(3.37%)から減少傾向にあります。
東京都全体では、令和6年度に日本の国籍を有しない被保護人員は9,606人で、都内の外国人数に対する保護率は13.6‰でした(東京都 年報7-14表)。これは東京都全体の保護率19.3‰より低い水準です。なお、大田区単独の数字は、今回確認できた公表資料には掲載されていませんでした。
生活保護法の対象は日本国民ですが、永住者や日本人の配偶者など一定の在留資格を持つ方については、国の通知にもとづき、行政上の措置として生活保護に準じた保護が行われています。統計の数字は、こうした制度の仕組みとあわせて冷静に受け止めることが大切だと考えています。
6. 数字の背景にあること
統計の数字だけでは見えないこともありますが、公表されているデータから読み取れることを整理します。
高齢化と一人暮らしの増加
先ほど見たように、受給世帯の中心は一人暮らしの高齢者です。大田区でも1世帯あたりの人数が小さくなってきており、「家族と同居して支え合う」形から「一人で暮らす」形へと、受給世帯の姿が変わってきていることがうかがえます。
数字が減っている=困っている人が減った、とは限らない
ここ数年、受給者数はゆるやかに減っていますが、それがそのまま「生活に困っている人が減った」ことを意味するとは限りません。全国では令和8年7月分で、保護の申請件数が25,236件と前年同月より増えています。物価の上昇などで家計が苦しくなっている方もいらっしゃいます。
生活保護は、要件を満たせば誰でも受けられる国民の権利です。「申請してはいけないのでは」「恥ずかしい」とためらっているうちに、体調や生活がさらに厳しくなってしまうこともあります。必要な方が、必要なときに、ためらわずに相談できることが何より大切だと私は考えています。
7. 大田区で生活保護の相談をしたいときは
大田区では、お住まいの地域ごとに4つの生活福祉課が生活保護の相談・申請を受け付けています。申請の流れや準備するもの、大切なポイントは、申請方法を詳しくまとめた記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
| 窓口 | 場所 | 電話 | 大森生活福祉課 | 大森地域庁舎2階(大森西一丁目12番1号) | 03-5764-0665 | 調布生活福祉課 | 調布地域庁舎5階(雪谷大塚町4番6号) | 03-3726-0791 | 蒲田生活福祉課 | 蒲田地域庁舎4階(蒲田本町二丁目1番1号) | 03-5713-1706 | 糀谷・羽田生活福祉課 | 糀谷・羽田地域庁舎3階(東糀谷一丁目21番15号) | 03-3741-6521 |
|---|
受付時間は、月曜日から金曜日の午前8時30分から午後5時まで(祝日・年末年始を除く)です。どの窓口が担当かわからない場合は、まず近くの生活福祉課にお電話いただければ案内してもらえます。
8. まとめ
- 大田区の生活保護は、令和6年度平均で13,030世帯・15,174人、保護率20.2‰(約50人に1人)です。
- 23区平均とほぼ同じ水準で、東京都全体・全国より少し高めです。
- 平成12年度から平成27年度ごろまでに大きく増えた後、ここ数年はゆるやかな減少傾向にあります。
- 東京都・全国の内訳では、半数以上が高齢者世帯で、その多くが一人暮らし。病気や障害のある世帯がそれに続きます。
- 全国の受給者のうち、世帯主が外国籍の世帯の人員は3.24%(令和6年度)です。
- 申請方法はこちらの記事で詳しくご案内しています。
数字の一つひとつの向こうには、一人ひとりの暮らしがあります。病気や失業、家族の事情、そして年齢を重ねることは、誰にでも起こりうることです。だからこそ、生活保護という仕組みを正しく知り、必要な方が安心して頼れる地域であってほしいと願っています。
私も健康福祉委員会の一員として、区民の皆様の声に耳を傾けながら、誰もが安心して暮らせる大田区をめざしてまいります。お困りのことがあれば、一人で抱え込まずに、区の窓口へご相談ください。
大田区議会議員 佐藤 なおみ
参考(公式)
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