※この記事は2026年10月時点の情報です。
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皆様、こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。
「大田区に住んでいて、不妊治療の助成金は今どんなものがあるの?」「保険がきくようになったけれど、まだ助成は受けられるの?」というご質問をいただくことがあります。
不妊治療は2022年4月から治療によっては健康保険の対象となりました。それに合わせて以前の助成制度は大きく変わりました。さらに東京都では、2026年4月1日以降に始めた治療から助成の対象が広がり、2026年10月1日に申請受付が始まったところです。制度の切り替わりの時期なので、「自分はどれに当てはまるのか」がわかりにくくなっています。
この記事では、大田区にお住まいの方が2026年度に使える助成を、東京都と大田区の公式情報をもとに整理しました。治療のことは、ご夫婦にとってとても個人的で、人には話しにくいことだと思います。どなたにも気兼ねなく読んでいただけるよう、手続きの情報に絞ってお伝えします。治療の内容や進め方については、必ず主治医とご相談ください。
1. 大田区の不妊治療助成金、2026年度に使える制度の全体像
まず結論からお伝えします。2026年10月時点で、大田区にお住まいの方が使える主な助成は次の4つです。
| 制度 | 実施 | 主な対象 | 上限額 |
|---|---|---|---|
| 東京都不妊治療費助成事業 | 東京都 | 保険診療の体外受精・顕微授精と、併用した先進医療 | 1回の治療につき15万円 |
| 東京都不妊検査等助成事業 | 東京都 | 夫婦で受ける不妊検査と一般不妊治療(人工授精など) | 5万円(夫婦1組につき1回) |
| 大田区特定不妊治療費(先進医療)助成 | 大田区 | 都の助成の承認を受けた方への上乗せ | 5万円(2026年4月以降開始の治療は見直し検討中) |
| 東京都不育症検査助成事業 | 東京都 | 流産・死産を繰り返した方などの不育症検査 | 5万円(先進医療の検査は別枠あり) |
順番としては、まず東京都に申請し、承認を受けてから大田区に申請するという流れになります。大田区の助成は都の助成に上乗せする仕組みのため、都の承認がないと区には申請できません。
以前の「特定不妊治療費助成」はもうありません
インターネットで調べると、「1回30万円」「所得制限730万円」といった古い情報が今も出てきます。これは保険適用前の国の助成制度(特定治療支援事業)の内容で、保険適用への移行とともに終了しています。現在の助成とは金額も条件も違いますので、古い記事の数字には注意してください。
2. 保険適用後の不妊治療と助成の関係
2022年4月から、人工授精などの一般不妊治療と、体外受精・顕微授精などの生殖補助医療が健康保険の対象になりました。窓口での自己負担は原則3割です。
保険で治療を受けるには、年齢と回数の決まりがあります。東京都の助成もこの決まりに合わせています。
- 治療開始時に妻が43歳未満であること
- 治療開始時の妻の年齢が39歳までなら、1子ごとに6回まで
- 40歳から42歳なら、1子ごとに3回まで
一方で、保険適用になっても負担がゼロになるわけではありません。3割の自己負担に加え、保険と併用できる「先進医療」は全額自己負担です。こうした負担を軽くするのが、東京都と大田区の助成です。

3. 東京都の不妊治療費助成(2026年4月以降開始の治療から拡充)
東京都はこれまで、先進医療の費用だけを助成してきました。2026年3月27日の発表で、2026年4月1日以降に開始した治療から、保険診療の体外受精・顕微授精の自己負担分も助成の対象に加えることが決まりました。
助成の対象と金額
治療をいつ始めたかで、助成の内容が変わります。
| 治療開始日 | 対象となる費用 | 助成額 |
|---|---|---|
| 2026年4月1日以降 | 保険診療の生殖補助医療の自己負担分と、併用した先進医療の費用 | 1回の治療につき上限15万円 |
| 2026年3月31日まで | 保険診療の体外受精・顕微授精と併用した先進医療の費用のみ | 先進医療の費用の10分の7(1回の治療につき上限15万円) |
2026年4月1日以降に始めた治療は、先進医療を使っていなくても、保険診療の自己負担分で申請できます。高額療養費や健康保険組合の付加給付が支給された場合は、その分を差し引いた額が対象です。ご自身で加入している民間の医療保険の給付は差し引かなくてよいとされています。
なお、3月以前に始まった一連の治療が4月をまたいだ場合も、4月以降の分だけを分けて申請することはできません。この場合は先進医療の部分だけが対象になります。
対象にならないもの
- 全額自己負担(自由診療)で受けた体外受精・顕微授精(先進医療が含まれていても対象外)
- 人工授精などの一般不妊治療(こちらは次章の不妊検査等助成の対象になる場合があります)
- 先進医療の実施医療機関として登録される前に受けた先進医療
対象となる方
- 治療の初日から申請日まで、法律上の夫婦であること(事実婚も対象。同一世帯であることの証明などの要件があります)
- その期間、夫婦のどちらかが続けて東京都内に住民登録していること
- 保険診療で生殖補助医療を受けていること
- 先進医療を受ける場合は、登録された医療機関で受けていること
- 治療開始日の妻の年齢が43歳未満であること
東京都の案内ページには所得制限の記載はありません。また、保険診療の男性不妊治療も対象になります。
回数
保険診療の回数と同じく、治療開始時の妻の年齢が39歳までは6回、40〜42歳は3回までです。お子さんが生まれた場合は、1子ごとに回数が数え直されます。
ここでいう「1回の治療」は、治療計画から移植後の妊娠判定までの一連の流れのことです。採卵や移植の回ごとに分けて数えるものではありません。
申請期限と申請方法
申請期限は、「1回の治療」が終わった日が属する年度の末日(3月31日)です。治療の終了日は、胚移植後に妊娠の確認をした日、または医師の判断で治療を中止した日です。1月から3月に終わった治療で、3月31日までに書類がそろわない場合に限り、6月30日まで申請できる特例があります。期限を過ぎると理由を問わず受け付けられませんので、ご注意ください。
申請は原則として、東京都の電子申請(LoGoフォーム)で行います。2026年4月以降に開始した治療と、3月までに開始した治療では申請フォームが分かれています。電子申請が難しい方は、郵送の方法を都の担当に問い合わせることができます。
主な必要書類は次のとおりです。
- 受診等証明書(医療機関に記入してもらうもの)
- 住民票の写し(申請日から3か月以内のもの)
- 戸籍全部事項証明書(申請日から3か月以内のもの。省略できる場合あり)
- 夫婦双方の健康保険の資格情報、限度額適用認定証の区分がわかる書類
- 高額療養費や付加給付の支給決定通知書(支給があった場合)
受診等証明書は医療機関での作成に時間がかかることがあります。治療が終わったら、早めに医療機関に相談しておくと安心です。書類が一部そろわない場合は、期限内に用意できる書類だけ先に出し、あとから追加することもできます。東京都の案内では、承認決定までに時間がかかっている状況とされています。
4. 大田区独自の上乗せ助成(特定不妊治療費・先進医療)
大田区では、東京都の先進医療助成の承認を受けた方に、区独自の上乗せ助成を行っています。
2026年3月31日までに開始した治療の場合
現在の区の案内では、次のように計算します。
- 先進医療の自己負担額の7割から、都の助成額(上限15万円)を引いた額と、区の上限5万円を比べ、低いほうを助成
- 都の助成額が15万円に届かない場合(7割が15万円以下の場合)は、区の助成の対象外
たとえば先進医療の自己負担が30万円の場合、7割は21万円、都の助成15万円を引くと6万円となり、区からは上限の5万円が助成されます。28万円なら4万6千円、20万円なら都の助成の範囲内に収まるため、区の助成はありません。
対象となる方(区の条件)
- 東京都の承認決定を受けてから6か月以内であること
- 治療開始時から区への申請時まで婚姻関係が続いていること(事実婚も対象。詳しくは区にお問い合わせください)
- 区への申請時に大田区に住民登録があること
- 同じ治療について、ほかの区市町村から助成を受けていないこと
- 申請者と配偶者が住民税を滞納していないこと
回数は、東京都の承認を受けた回数が上限です。
申請期限と方法
東京都の承認決定日から6か月以内に、必要書類を区へ郵送します。消印の日が申請日になり、期限を過ぎると受け付けられません。記録が残る方法での郵送がすすめられています。
- 大田区の申請書(区のホームページからダウンロードできます)
- 都に提出した受診等証明書の写し(都へ出す前にコピーを取っておきましょう)
- 都の承認決定通知書の写し
- 振込口座がわかる書類(通帳やキャッシュカードの写し)
- 住民税の納税証明書の写し(申請書の同意欄に署名すれば不要)
- 夫婦で住所が違う場合は戸籍謄本(3か月以内に発行された原本)
審査後に承認決定通知書が届き、振込までは通常1〜2か月ほどかかります。
2026年4月1日以降に開始した治療は、申請前に区へ確認を
大田区は、東京都の制度変更を受けて区の助成の見直しを検討しており、2026年4月1日以降に開始した治療の扱いはまだ決まっていません(2026年10月時点)。区のホームページでは、4月1日以降に始めた治療の方は、書類を出す前に健康づくり課へ問い合わせるよう案内しています。
都の承認から区への申請期限は6か月です。新しい内容が決まったときに慌てないよう、都の承認決定通知書や受診等証明書の写しは大切に保管しておいてください。
問い合わせ先・相談窓口
| 内容 | 窓口 | 電話 |
|---|---|---|
| 東京都の不妊治療費助成・不妊検査等助成・不育症検査助成 | 東京都福祉局 母子医療助成担当(平日9時〜17時) | 03-5320-4362 |
| 大田区の上乗せ助成 | 大田区健康政策部 健康づくり課(大田区役所6階) | 03-5744-1661 |
| 不妊・不育の悩み相談 | 東京都 不妊・不育ホットライン | 03-6407-8270 |
東京都の不妊・不育ホットラインは、毎週火曜日の午前10時から午後7時まで(祝日・年末年始を除く)と、月1回の土曜日(午前10時から午後4時まで)に開設しています。2026年度の土曜日は10月17日、11月21日、12月19日、1月16日、2月20日、3月13日です。同じように不妊に悩んだ経験のある方が相談員として話を聞いてくださいます。男性からの相談も受け付けています。
「誰かに少し話を聞いてほしい」というときにも、こうした窓口があることを覚えておいていただければと思います。
9. まとめ
- 以前の「特定不妊治療費助成」は保険適用とともに終了しました。今の助成は保険診療を前提にした仕組みです
- 東京都は2026年4月1日以降に始めた治療から、保険診療の体外受精・顕微授精の自己負担分も含めて、1回上限15万円を助成。申請受付は2026年10月1日から始まりました
- 不妊検査と一般不妊治療には、東京都の不妊検査等助成(上限5万円・夫婦1回)があります
- 大田区の上乗せ助成(上限5万円)は、都の承認から6か月以内に申請。2026年4月以降に始めた治療の扱いは見直し中のため、申請前に健康づくり課へ確認を
不妊治療は、時間も気持ちも、そして費用の面でも負担の大きいものです。私は議員1年目に「こども文教委員会」、現在は「健康福祉委員会」に所属し、子育てや健康の分野に関わってきました。お子さんを望むご夫婦が、手続きのわかりにくさで助成を受け損ねることのないよう、これからも区の制度の動きをわかりやすくお伝えしていきたいと思います。
大田区の新しい助成内容が決まりましたら、改めてお知らせします。制度は変わることがありますので、申請の前には必ず東京都・大田区の公式ページで最新の情報をご確認ください。
大田区議会議員 佐藤 なおみ
参考(公式)
- 東京都福祉局「東京都不妊治療費助成事業の概要」
- 東京都福祉局「不妊治療費助成事業Q&A(令和8年4月1日以降に開始した治療)」(PDF)
- 東京都 報道発表(2026年3月27日 不妊治療費助成の拡大)
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