※この記事は2026年10月時点の情報です。制度の内容や金額は年度ごとに変わることがあるため、申請の前に必ず各窓口でご確認ください。
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皆様、こんにちは。大田区議会議員の佐藤なおみです。
「来年は中学生。制服や入学の費用はどうしよう」「受験が近いけれど、塾代を出してあげられるか不安」「高校・大学の学費を考えると眠れない」。ひとり親で子育てをしていると、教育費の心配はどうしても重くのしかかります。
私は議員1年目に「こども文教委員会」に所属し、いまは「健康福祉委員会」に所属しています。どちらの委員会でも、子育て世帯の皆様、とくにひとり親家庭の皆様が「どこに相談すればいいのかわからない」と感じていることを、強く意識してきました。
そこでこの記事では、大田区で子どもの教育費について相談できる窓口と、ひとり親家庭が使える主な制度を、区・東京都の公式情報をもとに整理しました。シングルマザーの方はもちろん、シングルファザー(父子家庭)の方も対象になる制度がほとんどです。ぜひ最後までご覧ください。
1. 大田区で教育費の相談はどこへ?まず知っておきたい結論
先に結論をお伝えします。大田区で子どもの教育費に困ったときは、次の窓口に相談するのが近道です。
- ひとり親家庭の教育費(修学資金・入学準備など)の相談:お住まいの地域の生活福祉課(母子・父子自立支援員)
- 小中学校の給食費・学用品費・修学旅行費など:教育委員会 学務課 学事係(就学援助)
- 中3・高3の塾代や受験料:大田区社会福祉協議会(受験生チャレンジ支援貸付)
- 児童扶養手当・児童育成手当・医療費助成:子育ち支援課 子育ち支援担当(児童育成)
「どの制度が使えるのかわからない」という段階でも大丈夫です。まずは生活福祉課の母子・父子自立支援員に「子どもの学費のことで相談したい」と伝えてみてください。大田区の案内では、母子・父子自立支援員が経済上の悩みや、養育している子どもの就学などについての相談に応じるとされています。名前に「母子」とありますが、父子家庭のお父さんの相談も受け付けています。
| 相談窓口 | 電話番号 | 大森生活福祉課 | 03-5843-1028 | 調布生活福祉課 | 03-3726-5551 | 蒲田生活福祉課 | 03-6715-8800 | 糀谷・羽田生活福祉課 | 03-3741-6521 |
|---|
※各地域庁舎の中にあります。担当地域は住所によって決まるため、わからない場合は大田区役所代表(03-5744-1111)にお問い合わせください。
2. シングルファザーも対象?ひとり親制度の基本
「ひとり親支援」と聞くと、母子家庭向けのものと思われがちです。実際、以前は母子家庭だけが対象だった制度もありました。しかし現在、大田区がご案内しているひとり親向けの制度の多くは、父子家庭も対象です。
大田区の「こども家庭支援施策・ひとり親家庭支援施策のご案内」(令和8年4月1日現在)や各制度のページを見ると、たとえば次の制度は父子家庭の父も対象であることがはっきり書かれています。
- 児童扶養手当(「父または母」が対象)
- 母子及び父子福祉資金(「母子家庭又は父子家庭」が対象)
- ひとり親家庭等医療費助成(「ひとり親家庭等の父または母」が対象)
- 母子家庭及び父子家庭自立支援給付金(「母子家庭の母又は父子家庭の父」が対象)
- 母子・父子自立支援員による相談
一方で、母子生活支援施設のように母子家庭だけが対象のものもあります。「自分は対象になるのかな」と迷ったら、遠慮せず窓口で確認してください。お父さんが一人で抱え込んでしまうケースも少なくないと聞きます。相談することは決して恥ずかしいことではありません。
3. 小学校・中学校の教育費の支援

就学援助(給食費・学用品費・修学旅行費など)
小中学生のお子さんがいるご家庭でまず確認していただきたいのが、就学援助です。大田区に住む小中学生の保護者で、生活保護を受けている世帯、または世帯全員の前年の所得の合計が基準以下の世帯が対象です。ひとり親かどうかに関係なく使える制度ですが、ひとり親家庭で対象になる方も多いと思います。
大田区が示している認定基準の目安は次のとおりです。家族の年齢構成などで基準額は変わるため、あくまで目安です。
| 世帯人数 | 所得の目安 | 収入の目安(参考) | 2人 | 302万円 | 433万円 | 3人 | 363万円 | 509万円 | 4人 | 407万円 | 563万円 | 5人 | 489万円 | 666万円 |
|---|
支給される主な費目と金額(大田区「就学援助費支給額について」2026年4月1日更新)は次のとおりです。
| 主な費目 | 小学校 | 中学校 | 新入学用品費 | 57,060円(1年生) | 63,000円(小6または中1) | 給食費 | 月額4,100円〜4,950円(学年による) | 月額5,350円 | 修学旅行参加費 | ― | 限度額68,000円 | 移動教室参加費 | 5年 限度額6,500円/6年 限度額6,800円 | 限度額8,700円 | 卒業アルバム費(購入者) | 限度額15,000円 | 限度額9,500円 |
|---|
このほか学用品費や校外授業費なども対象です。なお、給食費の無償化など他の制度で保護者の負担がない場合は、その分は支給されません。
申請のしかた:区立小中学校に通っている場合は、4月に学校で配られる申請書を学校へ提出します。受付は4月から2月26日まで(3月は受付なし)で、毎年度の申請が必要です。年度の途中で離婚などにより家計が大きく変わった場合も、当年の所得見込みで審査する特例がありますので、学務課にご相談ください。
入学前に受け取れる「新入学用品費」
小学校・中学校に入学するときは、ランドセルや制服などでまとまったお金が必要になります。大田区では、令和9年度に入学予定のお子さんについて、入学前に新入学用品費を支給する手続きを行っています(生活保護を受けていない世帯が対象)。
- 小学校入学予定:57,060円。申請期日は令和8年11月20日(金)厳守
- 中学校入学予定:63,000円。入学前の2月末までに申請(現在、準要保護の認定を受けている方は申請不要)
小学校入学予定の方は締切が近づいています。対象になりそうな方は早めに手続きをしてください。
問い合わせ:教育委員会 学務課 学事係 03-5744-1429
4. 高校受験・大学受験の塾代や受験料の支援
受験生チャレンジ支援貸付(東京都)
「受験の年だけでも塾に通わせてあげたい」。そんな願いに応えるのが、東京都の受験生チャレンジ支援貸付事業です。中学3年生・高校3年生(またはこれに準じる方)を育てている一定の所得以下の世帯に、学習塾などの受講料や受験料を無利子で貸し付けます。
| 貸付の種類 | 上限額(令和8年度) | 学習塾等の受講料 | 30万円 | 高校等の受験料(中3相当) | 2万7,400円 | 大学等の受験料(高3相当) | 12万円 |
|---|
最大のポイントは、高校や大学などに入学すれば、申請によって返済が免除されることです。ひとり親世帯には、一般世帯より少し高めの所得基準が設けられています(東京都福祉局のページより)。
| 世帯人数 | ひとり親世帯の総収入の基準 | 合計所得金額の基準 | 2人 | 405万7千円 | 280万5千円 | 3人 | 496万6千円 | 353万2千円 | 4人 | 577万2千円 | 417万5千円 | 5人 | 639万6千円 | 467万4千円 |
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賃貸住宅にお住まいの場合は、家賃分を差し引いて判定できることがあります。令和8年度の受付は4月1日から始まっています。貸付金を受けた後は、令和9年3月末までに領収書を提出する必要がありますので、ご注意ください。
申込・問い合わせ:大田区社会福祉協議会(大田区社会福祉センター6階) 03-3736-2026
大田区の子どもの学習支援事業(無料)
塾に通うのが難しいご家庭には、大田区の無料の学習支援事業もあります。
- 中学生の放課後学習支援:就学援助、児童扶養手当、生活保護のいずれかを受けている世帯の中学生が対象。学習習慣を身につけ、高校進学を応援します。
- 高校生世代の「学びなおし」学習教室:中学を卒業した15歳からおおむね20歳までで、児童扶養手当または生活保護を受けている世帯の方が対象。高校受験や高卒認定試験に向けた学習を支援します。
問い合わせ:大田区子どもの学習支援事務局 03-6428-7123(日曜〜金曜、祝日を除く13時〜17時)
5. 高校・大学の学費の支援
母子及び父子福祉資金(修学資金・就学支度資金)
ひとり親家庭の教育費で、ぜひ知っておいていただきたいのが東京都の母子及び父子福祉資金です。都内に住み、20歳未満のお子さんを扶養している母子家庭の母、または父子家庭の父が対象で、大田区では生活福祉課が窓口です。教育費に関係する主な資金は次の2つです。
- 修学資金:高校・高専・短大・大学・大学院・専修学校で学ぶための費用(授業料、施設費、通学費、教科書代など)
- 就学支度資金:高校以上に入学するときの受験料・入学金・制服代など。所得税が非課税の方は、小中学校の入学費用も対象
大田区の案内では、償還(返済)期間は3年〜20年、利子は資金によって無利子または年1%とされています。注意したいのは次の点です。
- お金を払ったり契約したりする前に、必ず相談すること(後からは借りられない場合があります)
- 審査や交付に時間がかかるため、早めに相談すること
- 学校の種類やすでに持っている学歴によっては対象外になる場合があること
- 大学などで国の「高等教育の修学支援新制度」(授業料減免・給付型奨学金)を受けた場合、その分は6か月以内に返す必要があること
受験料は大学・大学院に入学する場合だけが対象になるなど、細かな決まりもあります。具体的な貸付額は学校の種類などで変わるため、生活福祉課の母子・父子自立支援員にご相談ください。
高校生等奨学給付金(返さなくてよい給付金)
高校生のいるご家庭で、授業料以外の教育費(教科書・教材・学用品など)を助ける返済不要の給付金です。国公立と私立で窓口が分かれています。
都立高校など国公立高校等の「奨学のための給付金」(令和8年度、全日制・定時制の場合の年額)は次のとおりです。
| 世帯の区分 | 給付額(年額) | 生活保護(生業扶助)受給世帯 | 32,300円 | 住民税非課税世帯 | 143,700円 | 年収270〜380万円の世帯 | 47,900円 | 年収380〜490万円の世帯 | 35,930円 |
|---|
令和8年度の通常の申請期限は9月15日でした(家計が急変した場合は別に受付があります)。まだ申請していない方は、まず在学している学校にご相談ください。問い合わせ:東京都教育庁 高等学校教育課 経理担当 03-5320-7862(平日9時〜17時45分)
私立高校に通っている場合は、東京都私学財団の「私立高等学校等奨学給付金」が対象になります。問い合わせ:東京都私学就学支援金センター 03-5206-7925
大田区奨学金(大学・短大・専修学校)
大田区には独自の奨学金もあります。令和9年度に大学・短大・専修学校専門課程へ進学予定の方の募集が、令和8年9月1日(火)から11月4日(水)まで行われています(郵送も可)。
- 貸付型(無利子):月額 国公立35,000円以内、私立44,000円以内
- 給付型(大学等進学応援基金):貸付型と同時に申し込む必要があります
区の令和8年度版の案内冊子には、住民税非課税世帯のお子さんの高校等進学準備のための給付型(入学準備金8万円)も掲載されています。問い合わせ:福祉管理課 援護係 03-5744-1245
6. 教育費の土台になる手当と医療費助成
教育費を考えるうえでは、毎月の生活を支える手当も大切です。申請しないと受け取れないものばかりですので、もれがないか確認してください。
| 制度 | 内容(2026年10月時点) |
|---|---|
| 児童扶養手当(国) | 18歳の年度末までの子どもを育てるひとり親家庭等に支給。令和8年4月分から、子ども1人目は全部支給で月額48,050円(一部支給は48,040円〜11,340円)。2人目以降は1人につき11,350円(一部支給は11,340円〜5,680円)を加算。所得制限あり |
| 児童育成手当(育成手当・東京都の制度) | 18歳の年度末までの子どもを育てるひとり親家庭等に、子ども1人につき月額13,500円。所得制限あり(扶養親族0人で所得375万8千円未満など) |
| ひとり親家庭等医療費助成(マル親) | 親と子どもの保険診療の自己負担を助成(住民税課税世帯は1割負担、非課税世帯は負担なし)。所得制限あり |
児童扶養手当を受けている世帯は、JR通勤定期の割引、都営交通の無料乗車券、水道料金の一部免除なども利用できます。
問い合わせ:子育ち支援課 子育ち支援担当(児童育成) 03-5744-1274
7. 子育てと仕事の両立を助けるひとり親家庭の支援
ひとり親家庭等ホームヘルプサービス
仕事や病気、資格取得のための通学などで、家事や育児の手が回らないときに使えるのがひとり親家庭等ホームヘルプサービスです。中学3年生以下の子どもと暮らすひとり親家庭等が対象で、父子家庭も利用できます。
- 内容:育児の援助、簡単な調理、掃除、洗濯などの家事の援助
- 利用料(1時間あたり):所得に応じて0円・150円・300円・800円・1,500円の5段階
- 利用時間:午前7時〜午後9時。1回2時間以上、1か月30時間まで
- 事前に区への申請と承認が必要です
特にシングルファザーの方からは、料理や家事との両立が大変という声をよく聞きます。こうしたサービスに頼ることで、子どもと向き合う時間や心のゆとりが生まれることもあると思います。問い合わせ:子育ち支援課 03-5744-1274
親の資格取得を支える給付金
子どもの教育費を長い目で考えると、親の収入を安定させることも大切です。大田区では、ひとり親の母または父が資格を取るための支援として、自立支援教育訓練給付金(指定講座の受講費の一部を支給)、高等職業訓練促進給付金(看護師などの資格取得のための修業期間中に給付)、高卒認定試験合格支援事業を実施しています。いずれも受講前の事前相談が必要です。窓口は各生活福祉課です。
8. 教育費以外の悩みも相談できる窓口
教育費の悩みの背景には、仕事や養育費、子どもの心の問題など、いろいろな事情が重なっていることがあります。次の窓口も知っておくと安心です。
- こども家庭センター(子どもと家庭の総合相談):大森 03-6423-0842/調布 03-6425-7566/蒲田 03-6424-5522/糀谷・羽田 03-6423-8866。受付は平日8時30分〜17時(令和9年4月1日からは平日9時〜16時30分に変更予定)
- 東京都ひとり親家庭支援センター はあと(生活相談・養育費相談・離婚前後の法律相談など):03-6272-8720
- はあと飯田橋(ひとり親の就業相談):03-3263-3451
- 教育相談(子どもの教育・性格・行動の悩み):03-5748-1201
9. まとめ:教育費の不安は一人で抱えず、まず相談を
- 大田区で教育費の相談をするなら、まずはお住まいの地域の生活福祉課(母子・父子自立支援員)へ。
- 小中学校の費用は就学援助、受験の塾代・受験料は受験生チャレンジ支援貸付、高校・大学の学費は母子及び父子福祉資金や奨学給付金、大田区奨学金が使える可能性があります。
- ひとり親向けの制度の多くは父子家庭(シングルファザー)も対象です。
- 貸付は支払いや契約の前に相談が原則。締切のある制度も多いので、早めの行動が大切です。
子どもの「やってみたい」「行ってみたい学校がある」という気持ちを、お金の心配であきらめさせたくない。それは、子育てをしているすべての親に共通する願いだと思います。ひとり親であればなおさら、その思いを一人で背負い込んでしまいがちです。
ここでご紹介した制度は、そうしたご家庭を支えるために用意されているものです。「うちは対象にならないかも」と思っても、まずは一度、窓口に声をかけてみてください。私も健康福祉委員会の一員として、ひとり親家庭の皆様が安心して子育てできる大田区をめざし、皆様の声に耳を傾けてまいります。
大田区議会議員 佐藤 なおみ
参考(公式)
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